みなさんこんにちは♪
あなただけに託された世界の感じ方、見方、そしてあなただけに与えられた唯一無二の感性を花開かせるお手伝いをするピアノ&アレクサンダーテクニック教室のMusic as a Whole井筒良子です。
もう2月!!もうすぐ節分ですね♪
2月3日は、私の大切な友人2人のお誕生日です。
一人は私の幼馴染みで、彼女は35歳でこの世を去ってしまいましたが、彼女を失った痛みを埋めるかのように、その後、出会った友人のお誕生日も、2月3日。
私はそれまで、ロンドンでは日本人のお友達がいなかったんですけど、彼女は日本人で、意気投合して、本当にいろいろと楽しい時間を過ごし、日本に帰ってきた今でも繋がっているので、本当に嬉しい限りです。
心が通い合うと、時間も場所も何もかも越えるんだと、いつも実感しています。
そんな出会いに、本当に心から感謝ですね。
そして、私のブログを見つけて、手を止めて読んでくださっている読者の皆様にも、心からの感謝を贈りたいと思います。
ショパン国際ペリオド楽器コンクール2023年優勝者、エリック・グオさんのコンサートを聴く
さて、先日、ショパン国際ペリオド楽器コンクール2023年優勝者の、カナダの若手ピアニスト、エリック・グオさんのコンサートに行って参りました!
この、ショパン国際ペリオド楽器コンクールは、
「ショパンの音楽を彼が生きた時代の楽器で再現し、研究を深めること、また若いショパンを演奏するピアニストたちにピリオド楽器の世界へ足を踏み入れるきっかけを与えるため立ち上げられた」国際コンクールだそうです。
2023年が第2回目ということで、歴史は古くはないのですが、ショパン国際コンクール(前回、反田恭平さんが2位!!!)と同じショパンインスティチュートがポーランドで開催しています。
ペリオド楽器(古楽器)とは
ペリオド楽器と言うのは、「古楽器」という意味で、コンクールで使われるピアノは、今私たちが弾いているものとは、少し違うんですよ。
と言うのも、楽器は、年月とともに常に改良を積み重ねられ、進化を遂げ、今の形となっています。
例えば、ショパンが使っていたピアノは、現代のピアノとは、ピアノ自体の大きさも音量も、音質、音色、感触も、違うんです。
私は古楽器には詳しくないのですが、現代のピアノ(モダンピアノ)は、昔に比べて、大人数を収容できる大きなホールで弾くことが多くなったことに対応して、大きさも音量も大きくなっており、その分、繊細さに欠けると言ってもいいかもしれません。
古楽器とは、
音を出すと、
何とも言えない木のぬくもりや柔らかさが、
香りのように幾重にも重なって漂っていくような、
楽器自体がすでに命を帯びて、それが空間の中で、ひとりでに歌っているような楽器。
そんな感じでしょうか。
とにかく、私にとって、古楽器は、その時代を生きた作曲家の、周囲の音や、香り、感触、時代の雰囲気まで、彷彿とさせてくれるものです。
そしてそんな古楽器のピアノを、現代のモダンピアノと区別するために、「フォルテピアノ」と呼びます。
グオさんの感性があふれ出していた時間と空間
さて、グオさんのコンサートのプログラムはこちら↓
彼、まだ21歳という若さです。
日本には初めて来日したそうで、これからも定期的に、来てほしいなぁと思いました。
と言うのも、私が個人的に、古楽器の響きが大好きなのかもしれませんが、
シューマンのノヴェレッテが、
「こんなに良い曲だったっけ???」と思えたり、
シューベルトの「さすらい人幻想曲」の胸を打つあの悲しい感じと透明感、臨場感が、聞いている私に本当にリアルに迫ってきたり、
前半だけでも、大興奮!!!!
後半はオールショパンで、さらに調子が上がってきたように思われ、アンコールでは、彼の芸術、感性が泉のように湧き上がっているところを聞かせてもらい、私の細胞の隅々が満たされて、とても幸せでした。
また、アンコールで聞かせてくれた「ジャスミンの花」では、即興で音楽を繰り広げていて、その即興感覚が、すべてのプログラムにおいて、発揮されているように思いました。
コンサート後、サイン会に参加できたので、少しだけお話させていただいたのですが、とっても気さくな好青年♪
しかも家ではモダンピアノを弾いていて、地元トロントにフォルテピアノはないので、ペリオド楽器コンクールで、ほぼ初めてフォルテピアノを触ったということです。。。すごすぎる。。。
確かに、フォルテピアノは、ピアノ奏者だからと言って、弾ける楽器ではありません。
楽器の特性を最大限に引き出す奏法、ショパンや、それぞれの時代の奏法を、何年もの間、勉強し修行しなければならない世界です。
「グオさん自体に、フォルテピアノの経験が少ないのであれば、演奏は難しい?」
と質問すると、
彼、「難しい」とは言わず、
「めちゃくちゃ楽しいよ」と言ってました(笑)
満面の笑みで応えてくれたグオさんを見て、
「そうだよね~!!」
と、私もとても納得。
なぜなら、グオさんの演奏、
彼の繊細で、みずみずしい感性と表現が、コンサート当日に使用した1843年製プレイエルのピアノによって、さらに花開き、溢れ出している
という空間に、私は2時間ほどいたからです。
そして、そのコンサート会場を後にして駅に向かいながら、私の心も体もすっかり軽くなり、今まで見ていた景色が、優しくみずみずしく私を包んでいるような感じがして、
「あ、私も開いている」と、思いました。
開こうと思って開くものでもない
さて、「開いている」というこの感覚はとても繊細で、不思議なものです。
そして「開こう!!」と思って開けるものでは、決してありません。
私たちは、
周りの環境に対して、
話している相手に対して、
奏でている楽器や音楽に対して、
自分の中で無言のうちに、
相手に同意し、
共鳴し、
それに向かって、
私たち自身が開いていく
のです。
抽象的な表現ではありますが、友人と
「心を通わす」ということも、「開いている」ということ
だと思います。
そして「心を通わせた」人との絆は、どんな障害も乗り越えます。
ピアノに対して、音楽に対して、
心が開いた経験を積み重ねることで、
私たちは、
自分の喜びを知り、
その与えられた特性や感性を思う存分に発揮して、
私たちの人生を豊かに生きていくことができるのだと、私は思います。
お読みいただき、ありがとうございました♪
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